数学の勉強法 大学受験ver

まず、数学を学ぶメリットを考えてみよう。

数学は、そもそもなぜ勉強しなければならないのか。

それは、技術的な面から考えると、数学は現代の科学技術の基盤となっているからだ。

プログラミング、建築、科学研究、設計など、現代の科学技術の多くは数学無しでは成立たない。

数学を学ぶということは、科学技術を活用する上で必要不可欠なものなのだ。数学を学ぶことによって、将来の選択肢が大きく広がる。

しかし、学生の中には、将来、絶対にこのような道には進まない!と決めている人もいることだろう。

そういう人にも、数学を勉強することは役に立つ。

なぜなら、数学を学ぶことのメリットは、まだまだあるからだ。

一つは、問題解決能力が養われることだ。

数学の問題を解くことによって、問題を解決する思考法が自然と見につくようになる。河野玄斗の本では、これは「逆算思考法」と表現されていた。

これは数学以外のあらゆる問題を解くときにも大きな力を発揮する思考法だ。

数学の問題を解くことによってこの思考法が体得できるなら、数学を学ぶメリットは文系の職業でも非常に大きいことが分かる。

2つ目のメリットは、論理的思考力が見につくことだ。

数学は、必ず正しいと言える論理を積み上げていくことによって答えにたどり着く。すなわち、数学の問題を解いていくなかで、この論理的思考力が身につくのだ。

論理的思考力は人に物事を説明する時に大きな力を発揮する。

人は、論理的な意見によって説得させられてしまうという性質を持っている。

つまり、論理的思考力が身につくことで、人を説得する能力がつくのだ。

説得するのは他人だけではなく、自分自身にもあてはまる。

勉強していくうえで、自分自身に論理的な説明をして、納得させることができるのだ。自分への説得力が高まることにより、知識の吸収度が上がる。

しかし注意しておかなければならないのは、この論理的思考力では現実の問題を解決するのに必ずしも最高の解決方法とはならないことだ。

論理的思考は人を説得するのには大きな力を発揮するが、現実の問題を解決するのには的外れになることもある、ということを分かってほしい。

ここまでで数学を勉強するメリットを述べてきたが、これであらゆる人にとって数学を学ぶメリットは大きいことが理解してもらえたと思う。 

次に、数学の具体的な勉強法を考えていきたいと思う。

大学受験のは数学の問題では、基本的なパターンを組み合わせて問題を解く、という流れがある。

つまり、基本的なパターンを身に着けていないと、応用問題を解くことは不可能なのである。

基本的なパターンを身につけるのには、まずその分野の抽象的な背景を意識しながら問題を解くことである。この抽象的な背景は、教師に教えてもらうか、参考書(チャート式など)で把握するか、自分で問題を解いていくなかで抽出したりする。自分のおすすめチャート式だ。チャート式は、問題の例題の下に、チャートと呼ばれる、その問題の抽象論が書かれているので、抽象論を把握しやすい。

その上で、問題を解く数を増やして解き方を身につけることである。

基本的なパターンが身に付いたら、今度は応用問題を解いていく。

応用問題を解いていくなかで、自分の中でさらに基本的なパターンの組み合わせがわかったり、パターンが洗練されていく。

基本問題が解けなかった場合は単なる知識不足なのですぐに解答を見ても良いが、応用問題が解けなかった場合は、なぜ自分が解けなかったのかをよく考えることだ。

そうすることで、次に同じような応用問題を見たときに、自ずとパターンの組み合わせ方が思い出される。

河野玄斗さんの本では手を動かさずに問題を解いても良い、と書かれていたが

、最初からそうするのは難しいと思うので、最初は計算して求めたほうが良い。

慣れてきて計算がただの作業としか感じられなくなってきたら、問題を見て頭のなかで道筋を組み立てて、解答を見てそれが正しいかを確認すると早い。

基本的なパターンを身につけるには、網羅系の参考書を一冊完璧に仕上げることである。ここで複数の参考書に浮気するのは非常に効率が悪い。

応用問題の参考書は複数用意しても良いが、基本的なパターンを身につける段階では、網羅系の参考書を一冊完璧に仕上げることだと、改めて言っておく。